公的機関の勧告
公的機関の勧告
フランスで主な医療勧告を担うHASという特別機関が存在します。
HAS(haute autorité de santé:高等保健機構) HAS は、2004 年 8 月 13 日の法律を根拠に 2005 年 1 月 1 日に設立された、独立性を有す る公的機関である。フランスでは、患者・利用者が可能な限り効果的で安全かつ効率的な 医療に、公平かつ持続的にアクセスできるようにすることを重視しており、HAS はこれを 実行するため、医療製品(医薬品・医療材料等)や医療技術(診療行為) 、医療・公衆衛生 分野の組織を科学的な立場から評価する役割を担っている。HAS が担う業務は、具体的に は :
1)医薬品・医療材料・診療行為の有効性の評価、
2)保険給付の償還率などに関する 勧告、
3)診療ガイドラインの作成、
4)慢性疾患のディジーズ・マネジメントのための指 針の作成、
5)医療機関の適格性認証、
6)医師の認証、
7)医療情報の質の改善に向けた各 種取組などである。 HAS は、大統領のデクレ(décret)によって任命された学識経験者等を構成メンバーとす る「統括委員会(collège)」 の合議制によって運営されている。また、HAS にはこの統括委 員会とは別に 7 つの「専門委員会(commissions spécialisées)」が設置されている。各専門委 員会には外部の有識者が委員として参画し、統括委員会の委員の一人が議長を務める。こ のうち、医薬品の評価については「CT(透明性委員会)」が、医療機器や医療材料、医療技 術(診療行為)、診断方法の評価については「CNEDiMTS(医療材料・医療技術評価委員 会)」が担当している。また、医療経済学的な評価や公衆衛生の評価を行う専門委員会とし て「CEESP(医療経済評価委員会)」がある。
2005年のレポートでは高齢者に対する足治療法の勧告がまとめられており、2007年には糖尿病患者に対する勧告が書かれております。
また2016年9月にデンマークで行われたWHO(世界保健機関)ヨーロッパセッションではリハビリテーションも今後の保健医療では非常に重要だという報告が書かれたおります。そのためフランスではリハビリテーション職である足治療法士の活躍も期待されると考えられます。